甘さはひかえめで。
過保護(?)な幼なじみ


学校を出て帰路につく。


「茜くん」

「……」

「茜くんってば!待ってよーっ!」


でも茜くんは、八神くんに一緒に帰るって宣言しといて私を置いてスタスタ歩いていってしまう。


「…茜くん、怒ってるの?」


小走りになりながら茜くんを追いかけていると

茜くんが突然ピタッと足を止めた。


「なんでそう思う?」

「あんまり喋らないから…」


茜くん、機嫌悪いと人の問いかけにも応えず黙るから…。


「……やっぱ、同じ高校行っといてよかった」

「え?」

「変なやつに絡まれてたね」


『もう友達できたの?』と言う茜くんは、やっぱり不機嫌そう。


……って、ん?友達?


「さっきの男。話しかけてきてた」

「違うよ!!
あんな人、友達なわけあるか!!」


リュックの紐をぎゅっと握ると、怒りが沸々と湧いてきた。


そうだ、茜くんに愚痴きいてもらうんだった!



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