甘さはひかえめで。


「えー、オレが少数派?
燿と意見が合わないなんてショックー」

「合うと思ってんすか?
俺は先輩とは合うほうが少ないと思います」

「ひでっ!
好みは被ってるだろー!
だってオレ、乃々ちゃんの顔好きだもん」

「………へ?」


先輩にニコって笑顔を向けられた。


私の顔が好み…?これは素直に褒められてると受け取っていいのかな…?


なんて返事していいかわからないでいると

テーブルに置かれた先輩の手に、燿がお水のコップをグリグリと押し付けていた。


「いたたたっ。地味に痛いって!」

「すいません手が滑って」

「滑ったとかいう次元じゃないですけどー…」


先輩が痛そうに手をプラプラ揺らすけど

燿はお構いなしに『乃々なに食べる?』と私にメニュー表を渡してきた。


……それにしても

燿と好みが同じって話で、私の顔が好きって言ってたけど…

それって…


燿も私の顔が好きってこと…?



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