甘さはひかえめで。


さっき言ってた『かわいい』って服装のことだけじゃなくて…

……いや!それは自惚れだ!

先輩がそう言っただけで!燿は否定してないけど肯定もしてないし!


それに、燿には一目惚れするほど美人であろう好きな人がいるし…まぁ、多少かわいいのでは?くらいの感じだろう。

先輩の発言なんて大嘘だ、と納得して、燿と一緒にメニュー表を覗き込んだ。


「全部美味しそうで迷う…」

「じゃあ乃々の食べたいやつ3つ頼んでシェアすれば?」

「えー!オレシェアやだ!!」

「陽キャのくせしてそれは嫌なんすか」

「オレはオレで1つ頼むから、
そっち2人でシェアすれば?」


先輩はさっさと自分で決めて店員さんを呼んでる。

それを見て早く決めなきゃと焦るけど…


「ゆっくりでいいから」


焦る私に気付いてそう言ってくれる燿に

また胸がきゅってして、涙が出そうで、鼻の奥がつんとした。


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