甘さはひかえめで。


自分たちのが来るまでやることなくて、先輩のお好み焼きが焼けているのをじっと見ていたら


「いらっしゃいませー」

「おー、席空いてる、ラッキー」


部活帰りっぽい、高校生の4人組のお客さんが来て、お店が一気に騒がしくなった。


……話し声、大きいな。


「なんかうるせー高校生だな」


ポソリと先輩が呟く。

私も思ったけど、相手に聞こえるかと思って黙った。


「俺が注意しましょうか?」

「店員が注意するんじゃね?」


燿が気にしてくれてたけど、先輩は関わりたくなさそう。

私も関わりたくはないなって、思ってたのに。


「……あれ?
ゆづきち?」


その声は明らかに、私たちのテーブルに向けられてる声で。

たぶん、それが私を呼んでることはわかった。

そしてその声とともに、足音が私の横まで来た。


「やっぱり、ゆづきちじゃん!」


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