甘さはひかえめで。
極めつけは、いつも茜くんの悪口ばっかり言う。
「てか他の男といるとこ隠したいんだ?
言ったらアイツ文句言いそうだもんなー」
「……」
「マジで、ゆづきちってなんで椎名と仲良くできんの?」
中学のときも、こうやって茜くんの悪口言いながら、その茜くんと仲良い私にも突っかかってきてた。
それが嫌いだっていうのに、この人は変わってないんだな…。
会話するのも面倒で、早くどこかに行ってくれないかなと思っていると。
「あのさぁ。
俺ら今デート中なんだけど、
邪魔しないでくれる?」
燿が頬杖をつきながら、不機嫌な顔を隠すことなく言い放った。
「は?デート?
もう一人男いるじゃん」
「あー、オレ昼一緒してるだけだし。
こっち2人デート中だよ、お昼だけオレが邪魔させてもらってるだけ〜」
デートでもないけど、
追い払うためか、燿の言うことに乗ってくれる先輩。
私が否定してまたとやかく言われるのが嫌で、
私も『そうだよ』って肯定した。