甘さはひかえめで。
「ひどいんだよ!
最初は私の席に勝手に座ってて、
退いたんだから早く座れとか言って睨んできたり、
初めましてなのに鈍くさいとか言ってきてさ!」
茜くんの隣でプンプン怒っていると、茜くんは心配そうに私を見て首を傾げた。
「言い返した?」
「ちょっと言い返したけど…全然動じてなかった」
八神くんの意地悪〜い笑顔を思い出して唇を尖らせる。
言い返して相手も嫌な気分になるかと思ったのに、むしろ私が言い返したら楽しそうだった!
明日からも同じように意地悪言われそうだけど、八神くんに勝てる気がしない。
「初日からナメられたみたいで、悔しい…」
「……ナメられてるだけならいいけど」
「良くないっ!」
茜くんも意地悪言う…!!
うぅ…茜くんは味方してくれると思ってたのに…!
「ナメられたままなんて友達絶対できないし、
そんなの絶対やだ!」
「……そういう意味じゃなくて」
「茜くんは幼なじみだし、
お互いのこと知ってるから、私のことナメてるのは大目に見てあげてるけど」
「俺べつに乃々のことナメてないけど」
「嘘!絶対見下してる!」