甘さはひかえめで。

「……仲、悪いの？」


踏み込んでいいのか、迷ったけど

『答えたくないなら答えなくていいよ』と前置きはしてから聞いてみた。


「仲悪いとかじゃないけど
中学までは、あんま誰も信用できなかったんだよな」

「え！！」


誰とでもすぐ仲良くなれる燿が…？


「あー、別に嫌いとかじゃねーんだよ。
けどその…親友と呼べるような奴はいないっていうか」

「……意外」

「……まぁ、色々あってさ」


話してはくれるけど、

燿はここで急に話しにくそうに頭を掻いた。


「機会があったら乃々には話すよ。
今は空気悪くなりそうだから、やめとく」


空気悪くなりそうって…

燿にとっては、深刻なことだったのかな…？


「うん…」


でも、私には教えてくれるんだ。

それで少しでも、燿が楽になってくれればいいな。