甘さはひかえめで。
でも、たまに私に優しくしてくれるから
味方してくれると思ったし、見下されてるのも許しちゃうわけで…。
「茜くんだって私のこと鈍くさいって言ったもん!」
「……言ったけど、
乃々が言ってる八神って男と一緒にすんなよ」
「……一緒だとは思ってないけど」
そりゃ、茜くんは小さい頃からずっと一緒にいるからさ、
八神くんと違って信頼関係はあるけど…
茜くんに言われたって一応傷付くからね。
むぅ、と頬を膨らますと、
茜くんがグシャグシャと自分の頭を掻いた。
「………はぁ。違うクラスなの不安すぎ」
「私も茜くんと一緒がよかった…」
「……(これは思わせぶり)」
茜くんと一緒だったら、八神くんに絡まれなかったかもしれないのに…。
「……さっき、連絡先がどうとか言ってたよね?
交換したの?」
「してない…けど、
なんか、メモ入れられたっぽい」
肩からリュックをおろして中身を確認しようとしたら
茜くんが私のリュックを奪って、ゴソゴソと中をあさり始めた。