甘さはひかえめで。
「……『破れた』って。
どうせ昨日の男が破いたんだろ」
「…!なぜそれを…!」
私、知らないうちに口に出してた!?
「やっぱそうなんだ?
束縛激しいタイプ?」
「束縛とかそういうのじゃなくて、
私が八神くんに連絡先を教えたくなかったから、俺のせいにしなって言ってくれたの」
「おい。俺に連絡先教えたくないってどういうことだよ」
しまった!全部言っちゃった!!
「……そんなに嫌かよ」
「……だって、
絶対イタズラするでしょ…」
「しねーよ」
……信用できない。
じと、と八神くんを睨むと、
八神くんは困ったように頭を掻いた。
「…じゃあ、メールアドレスと電話番号はなしで、SNSだけでもいい。
うざいと思ったらブロックすればいいから」
「……ブロックしたら、どうせ学校で『なんでブロックした?』って怒るでしょ…」
「……まぁ、怒るな」
怒るんかい!
怒られるのわかってて教えたくない!