甘さはひかえめで。


「じゃあその茜クンのこと褒めてみろよ」

「えー…
カッコよくて、モテモテ…?」

「じゃあ俺を褒めてみろ」

「……(顔は)カッコよくて……モテモテ?(モテてるよね?)」

「一緒じゃねーか(つーかボキャブラリー死んでんの?)」

「褒めろって言うから…!」


いきなり言われても出てこないよ!

八神くんの悪いとこならいっぱい出るけど!


そのまま教えない!という意思をむき出しにしていると、

八神くんが呆れたような顔をした。


「あ〜あ。
でも連絡先教えるの渋ってると、
クラスのグループにも招待されなくてボッチになるかもなー」

「えっ…!?」


可哀想〜と嫌味ったらしく言ってくる。


そ、それは困る…!!

どうしよう…と困っていると。


「よーっす燿」

「田中」


昨日八神くんと仲良さげに話してた田中くん?がやってきて、

八神くんの背中をバシーン!と叩いた。


「いてぇ!おまえ馬鹿力…!!」

「わりわり!
あ、燿の隣の席の、結月さんだよな?」


八神くんの後ろから顔を覗かせた田中くんはポケットからスマホを取り出して。


「あ、LINE教えて〜」

「え…」

「クラスのグループ招待するから〜」


< 20 / 139 >

この作品をシェア

pagetop