甘さはひかえめで。
「まぁあっちは仲良しチームってだけで、バレーがめちゃくちゃ上手いってやつはいないっぽい。
だからこっちのチームの方が絶対勝てるって」
『俺がいるからな』と自信満々に言う八神くん。
私が足引っ張るかもしれないのに?私のせいで負けちゃうかもしれないんだよ?
「迷惑かけたくないって言ってる…」
「じゃあかけてみろよ。
乃々1人分なんて俺がカバーできる」
ぐい、と顔を近づけてきて、トン、と私の眉間あたりを指で押してくる。
……庇ってくれるのか、バカにしたいのか、どっちなんだ。
八神くんの言動はやっぱり理解できない。
「つーことで、
午後の授業体育だろ?
早速練習だな」
そう言った八神くんはグッと肩を組む腕に力を入れると、
ニコ…いや、ニヤッとした笑みを浮かべて、『楽しみだなぁ』と呟いた。
……あー…
地獄の始まりかもしれない…。