甘さはひかえめで。


私はまだ子供っぽくて、だんだん大人びていく茜くんに置いてかれてる。

いつか…茜くんの隣にはもっと、大人っぽい女性が並ぶことになって、『お似合いだね』って言われるんだろうな。

そうなったら、私は茜くんの隣には居られないんだ。


それは……やだなぁ…。



──ドンッ。


「あっ!ごめんなさい…」


人が通るところで立ってしまったせいで、後ろで歩いてた人とぶつかってしまった。


「ボーッと突っ立ってんじゃねーよ」


すぐ謝ったのに、

そのぶつかった女の子はチッと私に舌打ちして、『椎名くーん!』と茜くんに声援を送った。


……この人、A組の人だ…。

いつもA組に行くと睨んでくる人。

それと…この間、茜くんと話してた…茜くんに同じチームになろうって誘ってた人だ。


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