甘さはひかえめで。


茜くんのチームの試合が終わった後、

茜くんと話せるかと思ったけど、

私の次の試合が迫っていたので、すぐに燿のもとへ戻った。


「……戻ったか」

「遅かった?」

「べつに。
さっさと準備するぞ」


戻っても燿はまだ少し不機嫌そうで、『切り替えろよ』と言ってくる。

切り替えるって…何から何に?

そう聞く前に、

燿はスタスタと次の試合が行われるコートに入っていった。


「うわー。なんか燿めっちゃ不機嫌じゃね?」

「初戦は機嫌良かったじゃん」


チームメイトのみんなも困ってる。


「シコってねーんじゃねーの。欲求不満?」

「おい女子の前だぞ!」




しこ…

チームのみんなの前でお相撲さんみたいに四股踏む動作をしてみたら、

みんなが安心した顔で『違うけどそのままでいて』って言ってきた。


あ、みんな私のことアホだと思ってるな…。

もういいよ!アホだよ私は!


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