甘さはひかえめで。


チーム全員にアホ扱いされてしまった。

くぅ〜!みんな運動もできれば、頭も私よりいいんだ!?

勝てるとこないじゃん!

じゃあ次もなんとか爪痕を残したい!という気持ちで頬をパンッと叩いて気合を入れた。

チームのみんなが何事かという顔で私を見る。


「((あ〜…思いっきり叩きすぎて
せっかくのかわいい顔が真っ赤になっちゃってる…))」


うぅ…頬強く叩きすぎた。ちょっとヒリヒリする…;

けど、ちょうど気合入っていいや。


「頑張ろー!」


みんなに声をかけたら


「「おー!」」


みんなが笑顔を返してくれて。


「……頑張ろーな!」


不機嫌そうだった燿も、機嫌が直ったのか、笑ってそう言った。


「…うんっ!」


……燿の笑ったところ、初めて見たかも。

意地悪な笑いじゃなくて、無邪気な少年みたいな笑顔。


ずっとそんな風に笑ってればいいのに、と思った。


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