甘さはひかえめで。
やっぱり
言葉が、冷たい。
「……でも、頑張ったんだよ。
練習して、初戦は余裕だったし」
「なんで乃々が頑張らないといけないの。
アイツが巻き込んだんじゃん。
乃々がこんな怪我する必要、なかっただろ」
また怒ってる。
今日の私は、茜くんを怒らせてばっかりだな…。
「これは…私が間違えたからで…
本当は、燿は私に無理させないようにはしてくれてて…」
燿は必死でカバーしてくれてた。
だけど私が頑張るって言ったから。
これは私が悪い。自業自得だ。
「……いつの間にか、『燿』呼びだし…」
「え?なに?」
「……なんでもない。
血止まったら体育館戻りなよ。
俺、先に戻るから」
茜くんが何かボソッと呟いた気がしたけど…気のせい?
それ以上何も言わせないように、私の血がついたジャージを持って、さっさと保健室を出ていく。
1人残された私は、ただただティッシュで鼻を押さえて鼻血が止まるのを待った。