甘さはひかえめで。


心配してくれたのに、

笑うのは失礼だった。


「……もう大丈夫です。
心配かけてごめんなさい…」


チームのみんなにも謝ったら、

みんな、暗い顔をした。


「え…と…?」

「ごめん結月さん!
せっかく怪我してまで頑張ってくれたのに…
次の試合、負けちゃって…」

「えっ!!」


パン!と手を合わせたり、頭を下げたりしてみんなが謝ってくる。

もしかして、私がいなかったから、不戦敗とか…?


「乃々は悪くねぇ。
人数少なくても大丈夫って言われたし。
けど……俺の力が及ばず…」

「燿だけのせいじゃねーよ。
けど、オレたちは怪我もしてねーし、
結月さんに申し訳ねーなって思って…」


……それで、みんな暗い顔を…?

怪我は私が鈍くさいからで、そんな、申し訳ないと思ってもらおうとして怪我したわけじゃないんだが!?


「これは、私が前に出ちゃったから顔面いっちゃっただけで、
みんなが申し訳ないと思う必要ないよ!?」


なにもみんなのせいじゃない。

申し訳ないなんて思わなくていい。



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