甘さはひかえめで。
「……感謝されるようなもんでもねぇよ。
……俺は、ただ…」
「「キャアーー!!」」
燿がなにか言おうとしたら
体育館から一際大きいな黄色い声が聞こえてきた。
「……どうせA組のバスケだろ。
さっきからキャーキャーうるせぇな」
「A組?」
って、茜くんのクラス?
試合の時間が迫ってたから、先に保健室から戻ってたのかな。
「……アイツ、『茜クン』だっけ?
すっげぇ騒がれてるよ、さっきから」
「茜くん、カッコいいからね」
「……俺も負けてねぇだろ」
「燿とはちょっと違うよ。
茜くん、運動とかできなさそうなのにできるから、
ギャップがすごいんだよ。
燿は運動できそうな見た目してるから、想像通りなの」
「はぁ?なんだよそれ。
できる方が損じゃん」
『しかもアイツ大して上手くねぇじゃん、普通じゃん』とぶつくさ文句垂れてる。
自分は上手いのに褒めてもらえないから、妬んでるのかな?