甘さはひかえめで。
「……おー。
でも乃々、鈍くさそうだからなー。
他に拾ってもらえなさそうで可哀想じゃん」
わー。嬉しくない心配どーもありがとー。
「気を遣ってくれてありがとう」
大きなお世話と言わんばかりにニコッと笑ったんだけど。
「おー。
ちょうどいいハンデになりそうだしなー」
八神くんは私の言葉の意図を全く汲んではくれなかった。
くそぅ…失礼すぎないか?
たしかに運動は苦手だけど。
「でも、迷惑かけちゃうから、嫌」
「だぁーからー、
ちょうどいいハンデになるから、いいじゃん。
その分俺がカバーするし」
「そんなに上手いの?バレー」
やり返しのつもりで、ちょっとバカにしたように言ったら
ちょっとムッとした様子で、「舐めんな」って返された。
「たしかに中学ん時のチームはそこまで強くなかったけど、エースだったからな?」
「弱小チームのエースなんて強いかわかんないじゃん」
「おまえ…意外と言うのな」