甘さはひかえめで。



でも意外だ。燿に好きな人がいたなんて。

いつも女の子と話すときも、だいたい男の子も一緒だし…誰かと特別仲がいいという感じはしない。

燿は、好きな子の前ではどんな顔をするんだろう。

もっと優しくて、私が相手のときみたいに意地悪もしなくて

その子の前では俺様じゃなくて、なんでも言うこと聞いてあげたりするのかな。




───チクン。


「……?」


なんだろ。

なんか今


胸、痛かった。


自分の胸に手を当てて、しばらく固まってしまう。


……燿が甘いの想像して、胸焼けでも起こしちゃったのかな。



< 62 / 139 >

この作品をシェア

pagetop