甘さはひかえめで。
好きな人*燿side
「燿、前!」
「はいっ!」
キャプテンの声を聞き、素早く一歩前に出て
俺の少し前に落ちてきたボールを、正面に立っているキャプテンに打ち上げて。
キャプテンはそのボールをキャッチすると、うんと頷いた。
「うん。普通。
調子戻ってるな」
「……あざす」
球技大会の翌日。
土曜日で学校は休みだが、部活は普通にある。
そして今は、球技大会の俺のプレーを見たキャプテンにしごかれてるとこ。
「おまえさ、
オレのチームに勝った次の試合、酷かったぞ」
「……すいません」
「スパイクは場外に飛ばしすぎだし、
明らかにおまえじゃないなってボールに手ぇ出してあらぬ方向飛ばしてたし。
おまえ、チームん中で一番ミスってた。
オレのチームとやったときはそこまでミスってなかったのに」
「……先輩との試合で疲れて、集中力切れてたのかも」
「は?オレのせいにするってか?」
「すんません…そういうつもりじゃなかったっす」
冗談で言ったのに、ちょっとキレてくるキャプテン。
……集中力なかったのは、本当だけど。