甘さはひかえめで。
隣にいる先輩がウンウンと頷いてる。
本当に気がすまないらしい。俺が一緒ならいいじゃんと言ってきたわけだし、先輩も簡単に折れてくれそうにない。
『……じゃあ、来週!
あの…気になってるお店があるんだけど…そこでもいい?』
「先輩に聞いてみる」
一旦スマホのマイクを手で押さえたら、
先輩が「なにって?」と聞いてくる。
「来週でどうかって。
乃々が気になってる店があるらしいんだけど、
そこでいいかって」
「高すぎるお店じゃなかったらどこでも」
「高すぎなかったらどこでもいいって」
すぐに乃々に返事したら、先輩が『言わなくていいじゃん!』と小声で怒ってた。
『そんなに高くないはず…
学校の近くにあるお好み焼き屋さんなんだけど…』
「あー、知ってる。
部活のみんなで行ったことある」
『ほんと!?
気になってたんだけど、一人で行くのは勇気いるなぁ〜と思って』