甘さはひかえめで。


そこは一人なんだ?

茜クンと一緒じゃなくて?

って、わざわざ俺から茜クンの話題振らなくてもいいかと思い、「そっか」とだけ返した。


「来週の土曜日でいい?」

『うん。
でも、燿は部活じゃ?』

「キャプテンが用事あるっつったら勝手に解散できるから問題なし」


ご飯行くのはキャプテンの用事なわけだしな。


『よかったぁ。
……って、私勝手に燿も来ると思ってたけど、
キャプテンさんのお詫びってことは、キャプテンさんと二人だったりする…?』

「いや、俺も行くよ。
大して仲良くない先輩と二人でご飯とか地獄だろ?」

『正直……うん』


先輩には乃々の返答が聞こえてないから不思議そうな顔してたけど、俺は笑いを堪えるのに必死だ。

『あわよくばの展開』なんてなるわけないんだよ。残念だったな、先輩。


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