甘さはひかえめで。
「じゃあ来週の土曜日な。
時間はまた日が迫ってきたらでいいか?」
『うん。ありがとう。
キャプテンさんにもありがとうって言っておいて』
「怪我させられたんだから言う必要ねーよ」
『顔面当たったのは私の判断ミスのせいでもあるし…!』
「キャプテンが乃々をナメてたのが悪い」
乃々はわけわからなそうに『え??』と言う。本当にアホだ。
人に騙されるのが得意そうで心配になるわ。
「とにかくキャプテンに気ぃ遣う必要ねーから」
『うん。
じゃあ、また月曜日』
「おう…」
……電話、切りたくねぇなぁ…
学校がない日は、乃々の声が聞けない。
だから、電話を切るのが名残惜しい…
のに。
──ツー。ツー。
まぁ乃々は平気で切りますよね。知ってたよ!
アイツ…本当に俺のことなんとも思ってねーのな。
来週、一緒に出かけたら
………ちょっとくらい、なんか変わんねーかなぁ。