甘さはひかえめで。



学校に着いて、下駄箱で靴を履き替えていると。


「結月さん、おはよ」

「あっ、お、おはよう!」


突然隣から声をかけられて、慌てて挨拶を返した。

声をかけてきたのは、


『ごめん結月さん!
せっかく怪我してまで頑張ってくれたのに…
次の試合、負けちゃって…』


バレーで同じチームだった、日下(くさか)有真(ありま)くん。

そして、その後ろにもう一人誰かいた。


「おはよう」

「お、おはよう、ございます…」


見知らぬ女の子が普通に挨拶をしてきて、

こんな子知り合いだったかな…?と思いつつも、ぎこちなく挨拶を返した。


「あ、いきなりでびっくりしたよね。
コイツ、オレの彼女の明乃(あけの)


不思議に思ってたら、日下くんが紹介してくれる。

日下くんの彼女さんだったのかぁ。


「よろしく。
球技大会見てたよ。
有真よりカッコよかった」

「えぇ!?それは聞き捨てならんけど!?」



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