甘さはひかえめで。


日下くんが明乃さんに怒ってるけど、

明乃さんは気にせず、私に向かってニコッと上品に笑った。

……わぁ、美人さんだ…。


「明乃はA組なんだ。
結月さん、A組に知り合いいたよな?
もしよかったら、明乃とも話してやって」

「え」

「明乃、友達いないから」

「それは言わなくていい!」


ムッとして日下くんの肩を叩く明乃さん。

そんな姿は、恋をしている女の子って感じで、めちゃくちゃ可愛くて。


「私も仲良くなりたいです!」

「え…いいの?」

「明乃さん、かわいいから」


にへ、と笑ったら

明乃さんは「結月さんのほうがかわいいよ」と照れくさそうに呟いた。

そしたら日下くんがポンポンと明乃さんの頭を撫でた。


「よかったね、明乃」

「うん」

「結月さんがA組に来るたびに気になってたんだって」

「そうだったの!?」


日下くんの発言にびっくりして明乃さんに聞くと、

明乃さんは照れたようにうつむいて、そのまま上目遣いで私を見た。


「……うん。かわいい子だなって。
椎名くんと付き合ってるんだよね?」


明乃さんの発言に、ん!?と反応してしまった。


「え!?
付き合ってないよ!?」


え!どこからそんな噂が!?


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