甘さはひかえめで。


「茜くん、体調不良で休みなの」

「体調不良?」

「球技大会で頑張ってたから、疲れちゃったのかな」


私がそう言ったら、

燿はバカにしたように笑った。


「頑張ったから体調不良ですか。
今元気なやつは頑張ってないってこと?」

「え…そういう意味じゃ…」

「自分が体力ないだけだろ。
大して上手くもないのにキャーキャー騒がれて、
努力もしてないくせに努力してるやつより褒められるって。ぬるま湯で生きてんのな、茜クンって」


ハッと鼻で笑う燿に

愛想笑いもできなくて。


「いって!」

「……」


燿の肩に、拳をぶつけた。


「……なんだよ」

「……茜くんのこと悪く言わないで。
何も知らないくせに」


努力してないとか

燿が勝手に決めつけないでよ。



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