甘さはひかえめで。


「不安しかねぇわ。
茜クンも大変だな」

「……」

「だから茜クンはそろそろ乃々の面倒見るのやめればいいと思うんだけどな」

「え、やだ!
茜くんがいないと困る!」


茜くんがいないと、勉強教えてもらえない…!


「……なんでそんなにアイツが必要なんだよ」

「え?」


聞き取れないくらいボソッと喋るから聞き返したら

燿はチラッと横目で私を見て、また視線を前に戻した。


「乃々が茜クン離れできんのはいつですかねぇ」


はぁ〜あ。と呆れたようなため息をついた燿は、

『早く教室行くぞ』って言って、さっさと歩いて行ってしまった。


茜くん離れ…か。

そういえば、私はずっと茜くんが傍にいてくれるのが当たり前だと思ってた。

登下校もお昼食べるのも、当たり前のように一緒だった。

茜くんに友達ができたら、きっとこのままではいられなくて

一人になる覚悟もしてたけど…

茜くんは私を一人にしないように一緒にいてくれてて、私は結局、それに甘えてる。


私は……茜くんから離れることができるのかな…?


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