甘さはひかえめで。
先に行った燿の後、少し遅れて教室に入る。
燿の席のまわりには女子がいっぱい集まってて、
私の席の方にまで群がっていた。
「ねぇ八神くん、
LINE友達登録していい?」
「いいけど、俺べつに連絡しないよ」
「そうなの?クールだね」
「めんどくさいだけ」
球技大会のときも騒がれてたから女の子にモテてる…。いや、最初から人気ではあったけど。
今まで遠くから見てるだけだったのが、急に距離を詰めてきたって感じ。
「球技大会、カッコよかったよ!
さすがバレー部だね」
「……普通だろ(ミスも多かったし)」
「だって、
あんな足手まといがチームにいたのに、3年の先輩のチームに勝つなんてすごいよ!」
燿と話してた女の子がそう言ったら、
まわりにいた子たちが、私を見てクスクスと笑った。
………あ。
『足手まとい』って、私のこと…
今、私の悪口言われてるんだ…。