甘さはひかえめで。
なぁ?と燿がバレーの女子チームの子たちに聞くと、
その子たちも私の悪口を言う側だったのか、気まずそうに目を逸らした。
「……はっ。最低女の集まりだったか。
よかったよ、乃々をそっちのチームにやらなくて」
燿がその子たちを睨みつけて言う。
……私、最初からあっちのチームには入れてもらえるはずなかったんだ…?
まさか、そんな嫌われてたなんて…。
「あー気分わりぃ」
「……!」
頭ガシガシと掻いて、燿はそう吐き捨てた。
あ……
……私のせいで、空気が悪く…
「おいクソ女ども」
「え?」
「今後乃々のこと笑った奴、全員ぶっ殺す。
性格ブスの分際で、選んでもらえると思うなよ」
燿の、一層低い声が聞こえた後、
「乃々、行くぞ」
棒立ちの私の耳元で優しく囁くと、私の腕を引っ張って教室を出た。