甘さはひかえめで。
『特別』とは
その後、1限をサボってしまい
2限が始まる前に教室に戻ったら、日下くんや田中くんが心配してくれた。
「結月さん、気にしなくていいからな?」
「オレらは味方だから!
燿もそうだろ?」
田中くんが燿に問いかけたら
燿は「あたり前」と言って、静かに席についた。
その姿が、すごく怒ってるように見えて
さっきまでキャーキャー騒いでた女の子たちは、燿に近付くことはなかった。
*
そのままいつも通りに授業を受け、お昼休み。
お弁当を持ってA組に行こうとしたんだけど…
(……そうだ。今日、茜くんいないんだった)
教室を出ようとした足を止め、自分の席に戻った。
いつも通り、中庭で食べてもいいんだけど
一人であそこまで行くのも面倒だし、そろそろ虫とかも多くなってきたし…
今日は教室でお昼を食べよう。
自分の机にお弁当を広げようとしたら
「乃々」
私の隣に、ペットボトルのお茶を持って、片手はポケットに手を入れている燿が立っていた。