甘さはひかえめで。



「燿、どうしたの?」

「……今日、茜クンいねーんだろ?
一人なら、俺らと一緒に食うか?」


燿が指さす方には、

日下くんと田中くん、そして明乃さんがいる。


「……私、邪魔じゃない…?」

「邪魔じゃない。
ほら、行こ」


燿が強引に私の手をとる。

きっと、いつも一緒に食べてるメンバーなんだよね?

急に私が行ったら、迷惑じゃないかな…?

そう思いながらも、燿に引っ張られるがまま、日下くんたちの元に来てしまった。


「お、結月さんも一緒に食べる?」


突然来たにも関わらず、日下くんは迷惑そうな顔をせず、普通に誘ってくれた。


「お…お邪魔でなければ…仲間に入れていただいても…?」

「ははっ、何その他人行儀な喋り方!
全然邪魔じゃねーし!
明乃も喜んでるから」


チラッと日下くんの隣にいた明乃さんに視線を向けると、

明乃さんは照れくさそうに、ペコリと会釈をした。


「だって。
乃々がいたほうが、桑原(くわはら)も安心するだろ。
女がいるほうが心細くないだろうし」


燿が明乃さんを指さして言う。明乃さん、桑原って名字なんだ。


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