ラーメン屋さんの彪(タイガ)くん

急に傘が軽くなって
大河原さんが傘の中にいる



もちろん私も
もちろん私の傘の中



え…



大河原さんを見上げたら
目が合った



睨まれてる

怖い



ドキン…



「傘、ないんですか?」



「いつもない」



そおだった



「迎え、来ないんですか?」



「もぉ…来ない」



そおなんだ



いつもの怖い目つきが
今日は少し寂しそうだった



やっぱり本当に別れたのかな?



「オマエの家、こっち?」



大河原さんが歩き出したから
慌てて私も進んだ



私の傘なんですけど!



でも…



「大河原さんとたぶん反対方向です!」



「じゃあ、途中まででいい」



そんな勝手に…



ドキドキ…ドキドキ…



胸の音がどんどん早くなる

怖いからかな?



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