ラーメン屋さんの彪(タイガ)くん
【2】ラーメン屋さんの彪くん

♪〜



大河原さんの機嫌は少しずつ回復して
最近は鼻歌が聞こえます


鼻歌とか
前の大河原さんからは考えられなかった



「今日のチャーハン
スープチャーハンですね」



大河原さんと一緒に休憩に入った



「あぁ…
そのほうが喉通りよくて
ちょっとは食べやすいかな…って」



ちょっとは食べやすいかな…

誰が?



「オマエ、いつもあんま食べないから…」



え…私のため?



「あの私、チャーハン大好きなんですけど
あんまりいっぱい食べれなくて…
でもここのチャーハンは…」



「カラダ、ちっちぇーもんな…」



「あ、はい
それであまり食べれなくて…」



「チビ!」



ムッ!



「どーせ、チビですけど…
このスープチャーハン美味しいです」



今日も優しい味がする



「じゃ、オレのもやるわ
いっぱい食って大きくなれ」



「え…そんなに…食べれるかな…」



「あ、オレんちの猫
メメじゃなくてチビだったわ
フワフワしててオマエに似てる」



「へー…そーなんですか
ちっちゃいからチビなんですか?」



「拾ってきた時
ちっちゃくてかわいかった
けど今はデブ猫」



「失礼ですね!
でも私、デブ猫好きです」



「まぁ、かわいいけど…」



大河原さん、猫好きなのかな?



かわいいって
なんか私が言われたみたいで照れる



「早く食え!チビ」



「はい!」



かわいいなんて言われるわけない

やっぱり私の勘違いでした



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