私、修道女になりたいのですが。。。 ー 悪役令嬢のささやかな野望?
1,私が公爵令嬢~!
「ここ……どこ?」
パチッと目を開けると、知らない部屋で寝ていた。
二十畳ほどの大きな部屋。豪華な天蓋付きベッドに、ロココ調のような姫系家具。天井にはシャンデリア。
どこかの宮殿ですか? 夢でも見てる?
何度も目を瞬くが、状況は変わらない。
「え? ええ〜!」
思わず声をあげたら、ドタドタと足音がして、部屋の扉が大きく開いた。
「マリア様!」
黒の侍女服を着た二十代くらいの女性が現れ、私の元にやってくる。
「お、お目覚めですか? どこか痛いところは?」
「え? あの……マリアって……? それに、あなたは誰ですか?」
戸惑いながら尋ねたら、その女性は青ざめた顔をして心配そうに私を見る。
「マリア様付きの侍女のグレースです。お忘れですか?」
グレースという名前の知り合いもいないし、私はマリアなどではない。でも、なんだか聞き覚えがある名前。
私は中村真理、二十三歳。製薬会社に勤務しているOL。
残業を終えて帰宅しようとしたところ、車が猛スピードで私に迫ってきて……。それで、目を開けたら、この部屋にいて……。
「ごめんなさい。覚えてないです」
「ああ~、落馬で頭を打ってそれで記憶をなくされたんですね。大変、お医者さまを呼ばないと」
グレースは大騒ぎして部屋を出ていく。
身体が気だるかったけど、ゆっくりと起き上がった。
「おとぎ話の世界に来たみたい。やっぱり夢を見ているんだろうな」
ベッドを出て、何気なく豪華なドレッサーに目を向けると、その鏡に映った顔を見て驚愕した。
金糸のような長いプラチナブロンドの髪に、アメジストの宝石のような紫の瞳。
そこにいるのは、誰もが振り返るような絶世の美女。
え、え、ええー!
この顔……私が今嵌っているアニメ『美形皇太子に溺愛されています』に出てくる悪役令嬢のマリアじゃないの!
マリアはウェントワース皇国の三大公爵家のひとつであるグレンヴィル家の公爵令嬢。
パチッと目を開けると、知らない部屋で寝ていた。
二十畳ほどの大きな部屋。豪華な天蓋付きベッドに、ロココ調のような姫系家具。天井にはシャンデリア。
どこかの宮殿ですか? 夢でも見てる?
何度も目を瞬くが、状況は変わらない。
「え? ええ〜!」
思わず声をあげたら、ドタドタと足音がして、部屋の扉が大きく開いた。
「マリア様!」
黒の侍女服を着た二十代くらいの女性が現れ、私の元にやってくる。
「お、お目覚めですか? どこか痛いところは?」
「え? あの……マリアって……? それに、あなたは誰ですか?」
戸惑いながら尋ねたら、その女性は青ざめた顔をして心配そうに私を見る。
「マリア様付きの侍女のグレースです。お忘れですか?」
グレースという名前の知り合いもいないし、私はマリアなどではない。でも、なんだか聞き覚えがある名前。
私は中村真理、二十三歳。製薬会社に勤務しているOL。
残業を終えて帰宅しようとしたところ、車が猛スピードで私に迫ってきて……。それで、目を開けたら、この部屋にいて……。
「ごめんなさい。覚えてないです」
「ああ~、落馬で頭を打ってそれで記憶をなくされたんですね。大変、お医者さまを呼ばないと」
グレースは大騒ぎして部屋を出ていく。
身体が気だるかったけど、ゆっくりと起き上がった。
「おとぎ話の世界に来たみたい。やっぱり夢を見ているんだろうな」
ベッドを出て、何気なく豪華なドレッサーに目を向けると、その鏡に映った顔を見て驚愕した。
金糸のような長いプラチナブロンドの髪に、アメジストの宝石のような紫の瞳。
そこにいるのは、誰もが振り返るような絶世の美女。
え、え、ええー!
この顔……私が今嵌っているアニメ『美形皇太子に溺愛されています』に出てくる悪役令嬢のマリアじゃないの!
マリアはウェントワース皇国の三大公爵家のひとつであるグレンヴィル家の公爵令嬢。