私、修道女になりたいのですが。。。 ー 悪役令嬢のささやかな野望?
2,今すぐパッと消えたいです
「お義姉様、昨日アレックス様に教科書を見せてもらったって本当なの?」
学園に登校した翌日、朝食の席でシャーロットが私に尋ねる。
「ええ、まあ」
戸惑いながら返事をすると、公爵がギョッとした顔をする。
「なに! 殿下に教科書を? どうしてそんな恥知らずな真似ができる!」
声を荒らげて私を責めたかと思えば、継母も公爵に同調するかのように嫌味ったらしく言う。
「そうよ。グレンヴィル家の恥だわ。殿下のお妃として相応しくないんじゃないかしら」
アレックス様に教科書を見せてもらっただけで、こんなに怒られるとは思わなかった。
でも、教科書はグレースが用意してくれていたはずだ。それは私も見ている。なのに、教室でバッグを見た時にはなくなっていたから、誰かが私に嫌がらせをしたのだろう。
「お父さまもお母さまもやめて。お義姉様はまだ記憶が戻っていないんだもの。仕方がないわ」
シャーロットが私を庇うけど、それが白々しく思えた。
そもそもこの話題を持ち出したのは、シャーロットなのだ。
以前のマリアなら強く反論したかもしれないが、私は素直に謝罪した。
「申し訳ありません」
公爵に皇太子妃に相応しくないと思われるのは、婚約破棄を望んでいる私にとっては願ったり叶ったりで……。
「失礼します」
学園に登校した翌日、朝食の席でシャーロットが私に尋ねる。
「ええ、まあ」
戸惑いながら返事をすると、公爵がギョッとした顔をする。
「なに! 殿下に教科書を? どうしてそんな恥知らずな真似ができる!」
声を荒らげて私を責めたかと思えば、継母も公爵に同調するかのように嫌味ったらしく言う。
「そうよ。グレンヴィル家の恥だわ。殿下のお妃として相応しくないんじゃないかしら」
アレックス様に教科書を見せてもらっただけで、こんなに怒られるとは思わなかった。
でも、教科書はグレースが用意してくれていたはずだ。それは私も見ている。なのに、教室でバッグを見た時にはなくなっていたから、誰かが私に嫌がらせをしたのだろう。
「お父さまもお母さまもやめて。お義姉様はまだ記憶が戻っていないんだもの。仕方がないわ」
シャーロットが私を庇うけど、それが白々しく思えた。
そもそもこの話題を持ち出したのは、シャーロットなのだ。
以前のマリアなら強く反論したかもしれないが、私は素直に謝罪した。
「申し訳ありません」
公爵に皇太子妃に相応しくないと思われるのは、婚約破棄を望んでいる私にとっては願ったり叶ったりで……。
「失礼します」