私、修道女になりたいのですが。。。 ー 悪役令嬢のささやかな野望?
「……はあ」
納得できなくて気のない返事をしたら、ルーカス様が助けを求めるかのようにアレックス様に目を向けた。
「ダメだ。この子わかってない。無自覚って怖いな」
もう私に説明するのが面倒だったのか、アレックス様は私の手を掴んで馬車の方へ歩き出す。
「とにかく送って行く」
アレックス様に問答無用で彼の馬車に乗せられ、しかも彼が隣に座っているものだから、気詰まりを覚えて小さくなっていた。
「いいかマリア、勝手にひとりで街を出歩くなよ」
「そうそう、危ないからね、マリアちゃん」
まるで保護者のようにふたりに注意され、しゅんとしながら謝る。
「はい、すみません」
きっと皇太子の婚約者としての自覚を持てということなのだろう。
でも……このままでは、私はアレックス様によって斬首刑になる。
優しい彼にそんな決断をさせたくない。
私……どうすればいい?
自問自答するが、答えなんて出ない。
誰にも相談できないのが辛かった。
「……リア、マリア、寝ているのか?」
アレックス様に聞かれて、返事をする。
「……いいえ」
否定したものの、瞼が段々重くなってくる。
彼の馬車で寝ちゃいけない。
何度も心の中で言い聞かせても、子供たちと遊んで疲れたせいか睡魔が襲ってきた。
「……マリア?」
また名前を呼ばれたが、その声が遠くで聞こえる。
今日のことは夢だったのかもしれない。
アレックス様と一緒に過ごせて嬉しかった。
でも、もうすぐ婚約の儀――。
「……アレックス様……私は……斬首刑です……か?」
夢か現かわからずポツリと呟いて、そのまま意識を手放した。
納得できなくて気のない返事をしたら、ルーカス様が助けを求めるかのようにアレックス様に目を向けた。
「ダメだ。この子わかってない。無自覚って怖いな」
もう私に説明するのが面倒だったのか、アレックス様は私の手を掴んで馬車の方へ歩き出す。
「とにかく送って行く」
アレックス様に問答無用で彼の馬車に乗せられ、しかも彼が隣に座っているものだから、気詰まりを覚えて小さくなっていた。
「いいかマリア、勝手にひとりで街を出歩くなよ」
「そうそう、危ないからね、マリアちゃん」
まるで保護者のようにふたりに注意され、しゅんとしながら謝る。
「はい、すみません」
きっと皇太子の婚約者としての自覚を持てということなのだろう。
でも……このままでは、私はアレックス様によって斬首刑になる。
優しい彼にそんな決断をさせたくない。
私……どうすればいい?
自問自答するが、答えなんて出ない。
誰にも相談できないのが辛かった。
「……リア、マリア、寝ているのか?」
アレックス様に聞かれて、返事をする。
「……いいえ」
否定したものの、瞼が段々重くなってくる。
彼の馬車で寝ちゃいけない。
何度も心の中で言い聞かせても、子供たちと遊んで疲れたせいか睡魔が襲ってきた。
「……マリア?」
また名前を呼ばれたが、その声が遠くで聞こえる。
今日のことは夢だったのかもしれない。
アレックス様と一緒に過ごせて嬉しかった。
でも、もうすぐ婚約の儀――。
「……アレックス様……私は……斬首刑です……か?」
夢か現かわからずポツリと呟いて、そのまま意識を手放した。