完全無欠の超モテ生徒会長に、ナイショで溺愛されています。



「会長、大変です!! 百葉先輩が――」

花森さんが呼ぶ前に。

会長が慌ててこちらに来てくれたのが見えて。


「百葉ちゃん、大丈夫?」

心配そうにわたしの名前を呼びながら、ギュッと抱きしめてくれた。


「え、あっ……会長……ふ、ふたりが見てます、よ」

呼び方だって、ふたりの前なのに“百葉ちゃん”になってるし。


「そんなの今はどうでもいいよ。それより百葉ちゃんのほうが心配」


さらに強く抱きしめられて、わたしは会長の腕の中で動けないまま。


「ケガしたでしょ?」

「少し、だけ……です」


「百葉ちゃんは嘘つくのが下手だね。俺にごまかしが通用すると思った?」

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