来世なんていらない
体育館にはもう何人か集まっていて、作業をしてくれていた。

「みんなー!」

私と真翔が着いたのを確認して、進藤さんが呼びかける。

「明日は夏休み最後だからさすがに自由参加にするけど、どうする?」

「じゃあ私は休ませてもらおうかなー」

「俺も明日は用事!」

「私は明日も来るよ」

「私もー」

進捗率はかなり良かった。

龍は頭を繋げて、色を足したり鱗を貼ったりするだけだし、明日中に頭を繋げれば九月からは龍を持って練習が出来る。
鱗は完成後でも貼っていける。
補正にも使うから全部使い切らないほうが都合がいい。

演目は振り付けと、棒だけを持っての動き方もあらかた練習済みで、あとは実際に龍を持った時の重さやバランスを確認していくだけだった。

みんなの意思確認をしてから、進藤さんが「じゃあ夏休みはほとんど今日が最後ってことで!あとちょっと、みんなよろしくね!」って言った。

「みんな、大事な夏休みの時間を、本当にありがとう。本番は素晴らしものになるって確信してます」

「九条さん気が早いよー」

みんなには笑われたけど、本心だ。

「じゃあみんな、今日もよろしくお願いします!」

それぞれが作業に取り掛かった。

私は演目チームで完成している尻尾と胴体、玉を持って練習した。

「壊すなよー!」って橋本くんが何度も注意した。
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