来世なんていらない
家の中はもっと凄かった。
凄いとしか言いようがない。
芸術の知識があるわけじゃないし、正直何に使うのか分からない、むしろ何かに使う物なのかオブジェなのかも想像もつかない物がいっぱい。
これらを買うのを我慢して食費に回したら何日分のお肉とお米が買えるだろうなんて考えてしまう。
「今日はご家族は誰も居ないの?」
「居ないよ。父さんは仕事だし、お手伝いさんも休暇」
「お手伝いさん…そりゃ居ますよね…」
「あはは」
「お母さんは?お出掛け?」
「あー、うん」
「そっか」
「ここ、落ち着かないでしょ。俺の部屋に行こう」
ぜひそうしたいって思ったけれど、真翔の部屋だってきっと落ち着かない。
一人部屋はここよりは狭いかもしれないけど、その分密室感が高まる。
急に緊張してきちゃった。
ドラマの世界の豪邸でしか見たことないような螺旋階段。
もはやなんの為に螺旋にしてるんだろうとさえ思えてくる。
真翔の部屋はモノトーン基調で、確かにリビング?ダンスルーム?リビング………よりはホッとした。
「ごめん、買い忘れてた。これしか無かった」
真翔がアイスティーをグラスに注いでくれた。
「ううん。紅茶大好き」
「良かった。シロップとかいる?」
「いらない」
グラスを口に付けた。
感じたことないくらいグラスのフチが薄い。
グラス一個で一体いくらするんだろう…。
ダメだ。ここに居たらお金のことばっかりが頭をよぎっておかしくなりそう…。
「真翔!」
「え!?」
「クッキー、食べて。お土産」
「ありがと。これ好き」
「私も」
あー、真翔の笑顔を見てると心がふにゃってなる。
大好きってなる。
いいなー…。
「まつり?」
「はいっ」
「どうした?」
「なにが?」
「ぼーっとして」
「大好きって思って」
スッと口から飛び出した自分の言葉が頭の中を駆け回る。
龍踊りの龍みたいにぐるぐるぐるぐる。
「あー、もう」
真翔が私にキスをした。
今度は勘違いじゃない。
ちゃんと、した。
凄いとしか言いようがない。
芸術の知識があるわけじゃないし、正直何に使うのか分からない、むしろ何かに使う物なのかオブジェなのかも想像もつかない物がいっぱい。
これらを買うのを我慢して食費に回したら何日分のお肉とお米が買えるだろうなんて考えてしまう。
「今日はご家族は誰も居ないの?」
「居ないよ。父さんは仕事だし、お手伝いさんも休暇」
「お手伝いさん…そりゃ居ますよね…」
「あはは」
「お母さんは?お出掛け?」
「あー、うん」
「そっか」
「ここ、落ち着かないでしょ。俺の部屋に行こう」
ぜひそうしたいって思ったけれど、真翔の部屋だってきっと落ち着かない。
一人部屋はここよりは狭いかもしれないけど、その分密室感が高まる。
急に緊張してきちゃった。
ドラマの世界の豪邸でしか見たことないような螺旋階段。
もはやなんの為に螺旋にしてるんだろうとさえ思えてくる。
真翔の部屋はモノトーン基調で、確かにリビング?ダンスルーム?リビング………よりはホッとした。
「ごめん、買い忘れてた。これしか無かった」
真翔がアイスティーをグラスに注いでくれた。
「ううん。紅茶大好き」
「良かった。シロップとかいる?」
「いらない」
グラスを口に付けた。
感じたことないくらいグラスのフチが薄い。
グラス一個で一体いくらするんだろう…。
ダメだ。ここに居たらお金のことばっかりが頭をよぎっておかしくなりそう…。
「真翔!」
「え!?」
「クッキー、食べて。お土産」
「ありがと。これ好き」
「私も」
あー、真翔の笑顔を見てると心がふにゃってなる。
大好きってなる。
いいなー…。
「まつり?」
「はいっ」
「どうした?」
「なにが?」
「ぼーっとして」
「大好きって思って」
スッと口から飛び出した自分の言葉が頭の中を駆け回る。
龍踊りの龍みたいにぐるぐるぐるぐる。
「あー、もう」
真翔が私にキスをした。
今度は勘違いじゃない。
ちゃんと、した。