来世なんていらない
公園は芝生と、砂や石畳が補整された広場になっていて、
池もあるけれど水以外は何も無かった。

アスレチックや遊具では一般の人達も遊んでいて、子ども達の声も響いている。

小高くん達の姿を見つけて近寄ったら、「ちゃんと来た。偉いね」って小高くんが言った。

武田さんは案の定、私を睨み付けていた。

「えー!?男子、シート持ってきてないの…誰も!?」

一人の女子が言って、男子達はごめーんって、大して悪いと思ってない様子で笑っている。

「これじゃあ全然足りないじゃん…」

「あ…あの…これ…良かったら使って」

私はリュックから取り出したレジャーシートをその女子に渡した。
自分でも分かるくらい、手が震えている。
恥ずかしい。

「…ありがと」

私の手からレジャーシートを受け取って、女子がバッと広げた。

風が吹いて、レジャーシートがふわっと宙に浮いて、それからゆっくりと、女子の手も借りて地面に着地した。

スローモーションみたいに見えた。
私はまだ、シートを差し出した手を引っ込められずにいた。

断られなかった。
小高くんの前だからかな。

それでもいい。
断られなかった。

嬉しかった。
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