来世なんていらない
「落ち着いたらちょっと冷えてきたな」

真翔は脱いでいたジャージの上着を着直した。
風がさっきよりも冷たくなってきた。

そろそろ集合時間だ。
もうここから離れなきゃいけない。

「真翔」

「ん?」

「私ね、夏が怖い」

「夏?」

「夏になったら私、この腕をどうしたらいいかな」

「…一緒に考えよ」

「一緒に?」

「うん。俺がなんとかするよ」

本当になんとか出来るかなんて分からない。
でも信じてみたいと思った。

助けてって…。
この人になら…
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