来世なんていらない
「ねぇ、みんなもだめ?」

「や…だめっていうか…」

「ねぇ…?ちょっとびっくりしただけで…」

その場のみんなが口籠る。
もう一回、今度は体ごと小高くんの席のほうを向いた。

「どこ中?」って私に聞いた時と同じニコニコ顔で、「何がびっくりしたの」って言った。

「や、なんて言うか、えっと、九条さん…だっけ?この中の誰とも繋がってなかったしさ。なのにいきなり九条さんと食べるなんて言われたからびっくりしちゃって。あ…はは…ごめんね」

「じゃあ、いい?みんながいいなら俺、みんなとも一緒に食べたいな」

「いい…よね…もちろん!」

みんなが顔を見合わせて気まずそうに笑い合う。

「じゃあ九条さんもいいよね?」

小高くんが私に向かってにっこり笑う。

正直断りたい。
こんな雰囲気で誘われたってなんの罰ゲームなんだよって思ってしまう。

でもここで私が拒絶したら?
遠足どころか、この先ずっと一人ぼっちかもしれない。

一人だけ笑っていない武田さん。

怖い。
怖い…けど…

「う…うん…。みんなが良ければ…」

「もちろん!」って小高くんだけが笑った。
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