零愛ー俺が必ずこの子を守る​ー
うわぁー……

なんちゅうもん入れてんだよー……。

「おぉ、凄いな。だからあんな美味しかったんだな」

「でしょ!」

ーーゴロゴロゴロゴロ…

あぁ……。また来た……。

それからは……長い戦いだった。


***

それから数日後。

俺の腕はすっかり治り、
今日、やっとギプスが外れた。

しかしこの日。
芹奈がどうやら風邪をひいたらしく…
熱のせいか、また出会った頃のように
赤ちゃんっぽくなっていた。

「ねぇー……なんかふわふわするー……」

「風邪ひいてるんだよ」

「なんかねー…、ももきが大きくなったり小さくなったりするんだよー……」

「だから、風邪ひいてるんだよ」

リビングで冷やピタをおでこに貼った芹奈がさっきから色んな家具に体当たりしながらよちよち歩いていた。

「芹奈…。熱あるから寝てろ、って」

「もももー…」

「あ!危ねぇ…っ、そこぶつかる!」

「なんかふわふわー…」

だめだ、こりゃ。

裸足でぺたぺた歩き回っては、ずっと戯言を言っている。

今日は休日だし、天気がいいので
洗濯物を干そうとしていたのだが……

ーーガタン!
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