零愛ー俺が必ずこの子を守る​ー
「……ぐすんっ」

鼻を啜った私を桃季は生ゴミでも見るかのよう目で睨みつけた。

「……うっざ。また泣くのかよ。
いつまでも子供じゃねぇんだよ。いい加減大人になれよ、お前」

その言葉があまりにショックで……
というか今桃季に言われた言葉全部ショックで……、私は泣きながら叫んだ。

「泣き虫だし、わがままかもしれないけど
そんな酷く言わなくたっていいじゃん!!
桃季の嘘つき……っ!!!!!!」

勢いに任せ、私はリビングを飛び出した。

…………やめてよ…。

そんなひどい言葉聞きたくなかった!

嘘つき……っ。嘘つき……っ!!!

ずっと一緒って…言ってくれたのに!

なんであんな顔して睨むの!ひどい!

脳裏にくっきりと焼き付いていて胸が痛む。

部屋のベッドに突っ伏して、声を押し殺すように泣いた。

涙止まんないー…。

もうー……。

色々……ぐちゃぐちゃで。

そんな中。
数ヶ月前に聞いたある声が頭にフッ、と浮かんだ。

ーー((藤影海里さんのご家族の方ですか))
ーー((……はい、え、誰ですか…))
ーー((ーー警察署の者です。))
ーー((藤影海里さんが先程病院で​───…))
ーー((お亡くなりになりました))
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