零愛ー俺が必ずこの子を守る​ー
ーー((だから……もう嫌い、なんだって))

……思い出しちゃった。

「…………」

下唇を噛んで俯くとジュエルちゃんが私の肩をなでなでしながら言った。

「芹奈っち!枕投げとかしよーよ!」

「え?」

「楽しそうじゃない!?」

「…」

「ねっ!?あっ、ババ抜きとかする!?あたしトランプ持ってきたんだーっ」

「…」

「ダチとお泊まり会!って憧れだったんだーっ、」

「……」

「ねっ…?」

「う、ん…」

「よしっ!じゃあまずトランプやろ!とりまババ抜きやって神経衰弱やろ!じゃあこれシャッフルしようねー」

ババ抜きをやってても神経衰弱をやってても
心にぽっかり穴が空いたみたいな気持ちは紛れてくれなかった。
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