零愛ー俺が必ずこの子を守る​ー
【桃季side】

ーー((泣き虫だし、わがままかもしれないけど
そんな酷く言わなくたっていいじゃん!!
桃季の嘘つき……っ!!!!!!))

芹奈は…泣き虫でわがままでいいんだよ。

俺にとっちゃそれが可愛くて可愛くて仕方ないんだから。

「ごめ……っ、……っ、、せりな、ごめ……っ」

芹奈が出ていったリビングで1人取り残された俺は泣いていた。

……クソだな、俺。
もっと…他に言い方あっただろ……。

自己嫌悪だけが残った。

でも​───────…

これでいい。これでいいんだ。

芹奈はいつも……
子供みたいにテクテク嬉しそうに駆け寄ってきて桃季ーっ、て言う。

それが………、今の俺には怖くて仕方ない。

芹奈からの好意が怖い。
芹奈の中で俺の存在が大きくなればなるほど俺は芹奈を……傷つけるかもしれない。

せりな。ごめんな。

俺を嫌いになって欲しい。

もう、大好きー、なんて言ってくれなくていいから。

芹奈にだけはいつまでも
無邪気に笑ってて欲しいから。

しかし荷物をまとめようとした時、廊下の方から大きな物音が聞こえて様子を見に行くと芹奈が床に倒れていた。
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