零愛ー俺が必ずこの子を守るー
パニックみたいになっていて頭を押さえながら悲痛な呻き声を上げていた。
「ご……っ、あ”ぁ……っ、、、!ご…、ご……め……”、、…な…っ、”、、さ……っ、、”、……っ”、、ぅ”…ぅ…っ、ぁ”ぁ!!!」
多分
…ごめんなさい、を言おうとしていた。
胸が締め付けられて苦しかった。
それは……俺のセリフなのに。
それから意識を失った芹奈を抱き抱えベッドまで連れて行った。
「も……も…もも……」
まだ……そんな寝言を言ってくれていた。
起きたら抱き締めてやりたかった。
ごめん、って……
さっきの嘘だ、って謝って。
無かった事にしたかった。
立ち上がろうとしたら
また……気付いたら俺の親指を握っていていたので起こさないように慎重にほどいた。
代わりに海里さんがいつかの誕生日にあげた、っていう芹奈のお気に入りのクマのぬいぐるみを抱き抱えさせる。
すぐにギュー、って握ってくれて
「…も、…も………も…っ」
ずっと口をパクパクさせてて。
……最後まですげぇ可愛かった。
もう会わない。
寝顔を死ぬ程目に焼き付けて
決意が鈍らないうちに、俺は家を出た。