零愛ー俺が必ずこの子を守る​ー
そう言って彼は怖い入れ墨の入った腕で私の頬を気持ち悪く撫でた。

「芹奈ちゃん。よく聞いて?芹奈ちゃんはこれから獄狂乱で俺と一緒に生きてこうね?」

「いっ、いや!触らないで!」

すぐに首を捻って抵抗した。

だって獄狂乱って…零愛の敵じゃ……お兄ちゃん殺した、っていう……

「大丈夫。そんな騒がないでよ。俺今獄狂乱の幹部なんだ。向こうも前々から零愛潰したがってたし、ちょうど馬が合ったんだよ。それにしても……アハハ…ッ、……駒には最適だな」

「駒…?」

「うん。俺は海里さんの下なら喜んでつくけど、基本的にはトップじゃないと気が済まないタチでね。いずれは俺が獄狂乱の総長になるつもりなんだ。今の総長は早々に殺してさ」

殺す、って……。この人…

なんでそんな怖い事平気で言えるの……

「芹奈ちゃんの事も俺が責任もって可愛がってあげるからね」

「いや!桃季はどこ…っ、…
私は桃季に会いたいのっ!これ解いてよ!!」
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