零愛ー俺が必ずこの子を守る​ー
彼は不機嫌そうにそう言うなり私の体をゴロン、と強引に転がし馬乗りになった。そのまま私の口はあっけなくガムテープで塞がれてしまった。

「んー…」

どうしよ……怖い…。

ももきーぃ…。

「はい、ちょっとねんねだよー」

そう言われた直後、乱暴に首根っこを掴まれたと思ったらどこからか注射器のようなものを取り出した彼。

ものすごいスピードで頬に涙が伝いそのままコンクリートの地面にポタポタと吸い込まれていった。

ももきぃ……、こわいよー。

抵抗なんか出来るはずもなく、すぐにプスッ、と首筋に刺されて皮膚の中にのめり込んでいく針の感覚が走った。

「ん‪”‬ーーーーーーーっ!!!」

いった……ぃ…

ズキズキとした痛みが駆け巡り、
体の中に何かが入れられた。
そんな気持ちの悪い感覚と絶望に支配された。

「俺の言うこと聞けないからこうなるの」

「んー…」

なに……入れられたんだろ。

私…死ぬの?

殺されるの……かな。

そんな事を考えていた時……
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