零愛ー俺が必ずこの子を守る​ー
***

ーーピッピッピッピッ……

なに、…ここ……

病院…?

一定の感覚で聞こえる機械音が鼓膜に届く。

徐々に意識を掴んだ私は
ふかふかなお布団の中にいた。

「……りな!せりな……っ!!分かるか!?せりなっ……!!!!!分かるか!?分か……っ、分かるか!?俺だ!」

ゆっくりと目を開けた瞬間……

頬に水滴が落ちてきた。

あ…。


桃季だー…っ


涙でぐしゃぐしゃな桃季と目が合った。


ーー((ほら。早く行ってやれ。桃季がさ、
死ぬほど泣いてっから​──────…))

……ほんとだ。なんかめっちゃ泣いてる。

頬にぶつかった水滴は桃季の涙で、
ポタポタポタポタ、
布団の上にもシミを作っていくばかり。

「芹奈……っ!!芹奈……っ!!芹奈が目っ!覚ました!!!医者……っ!!嵐!医者を呼べ!!!早く!!」

「えっ!ほんとですか……っ!?」

嵐の声も聞こえる…。

ちょっと視線をずらすと
口には酸素マスク。腕には沢山の点滴があった。

自分がいかに重症だったのかを思い知らされる。
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